本会はサシバの保護を目的として
奈良県北西部に位置する奈良盆地周辺でサシバの生息繁殖状況調査を行ってます
<2024年の活動状況>
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2019年から2023年に確認した既知のサシバ生息地26箇所については、21箇所で生息を確認できた。
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一方、4箇所で未確認となり、1箇所で調査を実施できなかった。
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近年、生息確認数が増えていることから、十分な調査ができず、未確認の4箇所は個体を見つけられていない可能性もある。
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また、山添村の7箇所(D、E、F、G、H、I、J)、吉野町の1箇所(C)、五條市の1箇所(B)において新しい生息地が確認できた
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全体でこれまでに確認された生息地は35箇所となり、本年、生息を確認できたのは30箇所となった。
<参加者を募集中>
一緒にサシバの生息地を探しませんか。
お問合せフォームでご連絡ください。
<奈良県市町村別繁殖状況図>
<2019~2024年の繁殖状況表(青字部分をクリックすると詳細が表示されます)>
凡 例
〇:繁殖成功 △:繁殖成否不明 ?:繁殖有無不明 ×:個体確認なし ー:未調査
( )内は主な確認状況
<活動内容の概要>
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私たちは、絶滅危惧種に指定されているサシバの保護を目的として生息繁殖状況を記録しています。
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生息繁殖状況は、観察を行った上で判断していますが、あくまで当会の主観です。
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本サイトには多くの写真を掲載していますが、種の特定(周辺にはオオタカ、ハチクマなど他の猛禽類も生息してます)、雌雄や年齢の識別などに使っています。
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生息位置は市町村名のみを記載しています。市町村別年別の生息状況は下表のとおりです
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上表の青字部分をクリックいただければ、市町村別年別の詳細な生息状況が表示されます。
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詳細位置情報については、お尋ねいただいても一切お答えしません。
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繁殖に影響を与えるため、巣の確認は行っていません。
<調 査 趣 旨>
かつてサシバは里山の猛禽として我々の生活で身近に生息していました。山があり農耕地があれば、谷ごとに存在が確認されたくらいで、特に調査の必要もありませんでした。
しかし、21世紀になってから、生息地周辺の田畑の休耕や宅地開発などの影響により次々と生息が確認されなくなり、2006年に国では絶滅危惧Ⅱ類、奈良県でも絶滅危惧種に選定されました。それでも歯止めは効かず、気が付けば、奈良県で当会が既知の生息地は上表の御所市Aという状況まで激減していたのです。
そこで、奈良県での生息状況を確認するため2019年より調査を開始した結果、三年間で7箇所の生息地の確認することができました。これは生息地が増えたということではありません。今まで確認できなかった生息地が明らかになったということに過ぎないと思います。
今後、サシバの保護を行っていくためには、生息状況の少なさを目に見える形で提示していくことが重要であると考え、ホームページ上で公表することにしました。(2021年8月15日記述)
<お 願 い>
奈良県で繁殖期である4月から7月にサシバの姿を確認されましたら、是非、情報をお寄せいただきたくお願いします。
また、ともに調査を進めていく仲間を求めています。
いずれも、お問合せフォームにて、情報及び参加をお知らせいただければ幸いです。
サシバのディスプレイ飛翔
繁殖地に渡来したサシバは早々に繁殖行動を開始します。その一つにディスプレイ飛翔があります。これは繁殖地の上空で力強い羽ばたきを交えながら旋回飛翔したり、その後に急降下を行うもので、縄張り行動と考えられます。動画はこのディスプレイ飛翔と急降下を撮影したものです。
(桜井市:2022年5月2日)
サシバ幼鳥の出現
当会では繁殖に配慮して巣の確認は行っていませんが、幼鳥が巣立つのは毎年6月下旬から7月上旬と考えています。巣立ち直後の幼鳥は林内から出てくることは少なく、運がよくないと会えませんが、7月下旬から8月に入ると営巣地周辺を飛び回るようになり、徐々に行動圏を広げていきます。
(桜井市:2022年7月23日)
秋の渡りに備えて
飛翔訓練をするサシバ幼鳥
毎年8月になると周辺で生まれたサシバ幼鳥が渡りのルート付近に集まり、秋の渡りに備えて飛翔訓練をする姿が見られます。今年も幼鳥が計11羽が集まりました。動画は4羽の飛翔訓練を撮影したものです。
(斑鳩町:2021年8月26日)
2023年秋のタカの渡りカウント(9月24日~)
奈良盆地各地においてタカの渡りのカウントを行いました
上表の月日・場所毎の渡りのコメントを以下に示します
秋の渡り・サシバのタカ柱
9月に入って秋のタカ渡りが始まりました。日本で繁殖を終えたサシバたちは、越冬地である南西諸島や東南アジアに移動しています。そのとき、数羽から百羽程度の集団となり、一斉に旋回上昇する『タカ柱』をつくります。これはそのタカ柱を撮影したものです。このタカ柱と滑空を繰り返して渡っていきます。
(葛城市:2021年9月22日)
奈良県でのサシバを含む秋のタカの渡りのルートについて
日本列島やその周辺で繁殖を終えたタカたちは、9月に入ると越冬地である南西諸島や東南アジアに移動し始めます。これが秋のタカの渡りです。
日本におけるタカの渡りのルートは、サシバに注目すると、伊良湖岬(愛知県)から伊勢(三重県)に渡り、奈良県に入ってからは東吉野村の高見山周辺、下市町の栃原、五條市の金剛山麓を通り、和泉山脈(和歌山・大阪府県境)を経由して、徳島県に至る本州南岸(紀伊半島横断)ルートが古くから知られています。
また、2001年11月17日に設立された『タカの渡り全国ネットワーク』の精力的な活動によって、白樺峠(長野・岐阜県境)から岐阜市、猪子山(滋賀県)、岩間山(京都府)、高槻(大阪府)、六甲山・淡路島(兵庫県)を経由して、鳴門(徳島県)付近から四国に入る本州中央(内陸)ルートが明らかにされました。
今のところ、日本にはこれら二つの大きなタカの渡りルートがあることがわかっています(下図参照)。
奈良県では、『日本野鳥の会奈良支部』が伊良湖岬からのルートに着目して、1970年代後半から長年の調査活動を行った結果、タカ渡り本流と言える本州南岸(紀伊半島横断)ルートは概ね解明されました。
しかし、実際の渡りでは、大きな本流だけでなく、枝分かれする多くの支流が分岐と合流を繰り返しながら移動していると考えられています。また、高見山や栃原のタカ渡りのカウント数は毎年一定ではなく、その年の風向などの気象条件に左右されることもわかってきました。
私たち奈良猛禽類研究会は、2021年から本流以外の支流にも着目して、タカ渡りのカウント数の変動の原因を解明できればと考え、まずは奈良盆地中部での観察に取り組み始めました。過去に観察した断片的な渡り記録や情報をもとに、矢田丘陵や信貴山、二上山などで予備的な観察を開始しています。